人気ブログランキング | 話題のタグを見る

遠藤周作『深い河』、クリスチャンとしての毎日

なんか論文みたいなタイトルになってしまった・・。
先週教会から借りてきて、あまりの面白さに一気読みしてしまった、遠藤周作の『深い河』。いやー、本を読んで涙してしまったのは山田詠美の『ベッドタイム・アイズ』以来かも・・・ってカテゴリーが違い過ぎるけど・・・。

遠藤周作は日本きってのクリスチャン作家として知られていますが、この本も彼なりの宗教観が色濃く現れていてとっても読み応えがありました。一部の熱狂的なクリスチャンや保守派の人が読んだらコントラバーシャルとも言える内容。と、言うのはこの本、インド、ガンジス河を舞台に、ヒンズー教や、仏教などの世界観を取り入れつつキリスト教を語っているから。

こういう考え語って、アメリカ人とか、ヨーロッパ人には理解できないかもしれないけれど、私自身のように、日本人でありながら、クリスチャンって言う人には完全に仏教やら、神社仏閣の文化を否定しきれない部分ってあると思うのです・・・。この本はまさにこういう日本人ならではの考え方が色濃く反映されていて、登場人物の一人、牧師でありながら、フランスの修道会で異端児とされて追い出された大津という青年が『どの宗教も結局同じ神様に通じている』というようなことを語るのだけれど、私もそれでいいんじゃないかなーって思います。

良く、アメリカ人のキリスト教徒のなかには他の宗教の人を地獄に落ちる、というようなことを言い放つ人がいますけど、それを決めるのは神様だけなんじゃないかしらと。

そういう人たちは本当に無知な人が多く、『エイズはゲイの人に対する神様の罰だ』とか、『インドネシアの津波は彼らがクリスチャンじゃないから起きた』とかひどいことを言う人が多いのでびっくりしますよー。じゃあ、カリフォルニアのマッドスライドはシュワルヅネッガーが知事だからいけなかったのかと(笑)。

だから、私はクリスチャンだけれど、他の宗教や、他の人の生き方を否定したり、強引に誘い込む気はまったくないんですよね。一生懸命に生きていれば、神様のほうからその人を見つけてくれると思うので。

それにしてもこの本を読んだらインドの文化に対する興味がめらめらとわいてきました。幸いインド人街がすぐそこなんで、色々探検に行ってみようかなーと思っています。

あと、遠藤周作のほかの本も全部読んでみたくなりました。

by slimshady163 | 2007-07-25 02:07 | その他

<< ボディコンパジャマ ご近所づきあい >>